RSSをPodcast化する方法。記事やニュースを「読む」から「聴く」に変える

公開日: 2026-05-05 著者: TOKOI, Mikito / Founder of Lisnify カテゴリ: チュートリアル 約 15 分

結論

RSSは「読むためのフォーマット」として広まりましたが、近年はAIによる要約と音声合成の組み合わせで、Podcastとして「聴く情報源」に変えやすくなりました。RSSをPodcast化する方法は大きく分けて、手動でTTSに流す方式自前で要約・配信パイプラインを組む方式AI Podcast生成ツールを使う方式の3つがあります。読む時間を確保しづらい人や、移動・家事中に情報収集したい人にとっては、後者2つ、特に「自分専用のPodcastフィードを継続的に届けてくれる仕組み」が現実的な解になります。

この記事では、RSSをPodcast化するという発想そのものの整理から、具体的な3つの方法、Lisnifyを使った場合の流れ、向く情報源と向かない情報源、著作権や公開範囲の注意点までを順に説明します。

RSSをPodcast化するとは

「RSSをPodcast化する」とは、RSSフィードに流れてくる記事を、テキストで読むのではなく、Podcastアプリで聴ける音声フィードに変換することを指します。

RSSとPodcastは、実は近い親戚にあたります。Podcastの配信フォーマット自体が RSS 2.0 を拡張した仕様(<enclosure> タグでメディアファイルを参照する)であり、Podcastアプリは内部的にRSSを購読しています。つまり、「テキストの記事RSS」を「音声の入ったPodcast用RSS」に変換できれば、Apple PodcastsPocket CastsOvercast といった既存のPodcastアプリでそのまま聴けます。Spotify は仕組み上RSSを取り込んで配信しますが、ユーザーが任意のRSS URLをアプリに直接登録する用途は想定されていない点に注意が必要です。

この「変換」の中身は、おおまかには次の3ステップになります。

  1. RSSから記事本文を取得する
  2. 記事本文を音声化する(要約してから音声化することが多い)
  3. 音声ファイルを <enclosure> で参照するPodcast用RSSとして配信する

この3ステップを誰がどう担当するか、要約の有無や精度、複数記事をどう束ねるか、誰が聴けるフィードにするかで方法が分かれます。

RSSリーダーではなくPodcastで聴くメリット

RSSリーダーはすでに存在します。あえてPodcast形式に変換するメリットは、用途が明確に違う点にあります。

  • 画面を見なくていい: 通勤、運転、家事、散歩、運動など、目と手がふさがっている時間を情報収集に充てられます。RSSリーダーは画面を見続ける前提ですが、Podcastは「ながら聞き」が前提のフォーマットになっています。
  • 再生・倍速・スキップが標準装備: Podcastアプリにはチャプタースキップ、倍速再生、スリープタイマー、ダウンロードといった「聴く」ためのUIが揃っています。RSSリーダーで音声を扱うのはアドオンの域を出ないことが多いです。
  • 「読む山」が「聴く番組」になる: RSSリーダーは未読が積み上がるほどプレッシャーになります。Podcast形式では「今日のエピソード」「今週のエピソード」という単位で区切られるので、消化のリズムが作りやすくなります。
  • 複数の情報源を1本に束ねられる: 要約してから音声化する方式なら、ZennQiitaはてなブックマーク、海外メディアといった複数のソースを1エピソードに混ぜられます。RSSリーダーで一元化するのと似ていますが、出力が音声なので「全部に目を通す」プレッシャーが下がります。

逆に、コードの細部、図表、数値ベンチマーク、UIスクリーンショットを正確に追いたい場合は、Podcast化はあくまで一次フィルタにしかなりません。詳細は元記事を読むことが前提になる、という割り切りは必要です。

RSSをPodcast化する主な方法

ざっくり3つの選択肢があります。コスト、自由度、メンテナンス負荷、要約品質のトレードオフが異なります。

1. 手動で記事を音声化する

毎回、自分でRSSから記事本文をコピーし、TTS(Text-to-Speech)サービスに貼り付けて音声化する方法です。出力されたMP3を自分のクラウドストレージに置き、自前で <enclosure> 付きのRSSを書いてPodcastアプリに登録します。

  • 向くケース: ごく少数の記事だけを音声で聴ければよい場合、TTSの声質や読み上げ方を1記事ずつ細かく調整したい場合。
  • 向かないケース: 毎日複数記事を継続的に聴きたい場合、要約してから聴きたい場合。継続運用は現実的ではありません。

音読さんCoeFontElevenLabs など、TTSサービス自体は選択肢が豊富になっています。とはいえ、RSSの取得・記事のクレンジング・要約・音声合成・RSS配信を毎日手動で回すのは、よほどの趣味でない限り続きません。

2. TTSツールを使う

Feedly のテキスト読み上げ機能、Instapaper Premium の Text-to-Speech、Voice Dream Reader、Appleの「コンテンツを読み上げる」機能、ElevenReaderのように、保存した記事をその場でTTS再生してくれるツールを使う方法もあります(長らく定番だったMozillaの Pocket2025年7月にサービスを終了しました)。後継候補としてはブックマーク管理型の Raindrop.io もよく挙がりますが、Raindrop.io 単体には記事読み上げ機能がない点には注意が必要です。

  • 強み: 既存のRSSリーダーやReadLater系サービスと組み合わせやすく、導入のハードルが低いです。記事をそのまま全文読み上げてくれます。
  • 限界: 多くは「記事ビューアの中で再生」する形式で、Podcastアプリに番組として購読する形にはならないことがあります。要約せず全文を読み上げるので、再生時間が長くなりがちです。複数記事を1本のエピソードに束ねたり、AIホスト同士の会話形式にする、といった編集はできないことが多いです。

「とりあえず特定の記事だけ耳で読みたい」用途には十分です。一方、「毎朝決まった時間に、自分の興味に絞った10〜20分のニュース番組として届いてほしい」というニーズには別の方式が向きます。

3. AI Podcast生成ツールを使う

近年、RSSフィードを入力として、AIが要約・スクリプト化し、複数話者の音声まで自動生成してPodcastフィードとして配信してくれるツールが増えてきました。Lisnifyもこのカテゴリに含まれます。

代表的な選択肢は次のように分けられます。2026-05-05時点で各社公式ページを参照して整理しています。

  • 公開Podcast番組の制作寄り: castmakeJellypod。メディアやブログのコンテンツをAIラジオとして配信する用途で広く使われています。
  • 資料理解寄り: Google NotebookLM のAudio Overview。アップロードした資料を2人のホストが議論する形式で要約してくれますが、定期配信を主目的にした機能ではありません。
  • 自分専用フィード寄り: Lisnify、Airout AIMultiMind。RSSフィードを入力に、自分だけが聴くPodcastフィードを継続的に届ける方向のサービス。

それぞれ得意分野が違うため、「どれが一番優れているか」よりも「自分の用途はどれに近いか」で選ぶ方が結果的に満足度が高くなります。

LisnifyでRSSをPodcast化する流れ

ここからは、Lisnifyを使ってRSSをPodcast化する場合の具体的な流れをHowTo形式で示します。Lisnifyは「自分専用の非公開Podcastフィードに、RSSフィードのAI要約音声を継続的に届ける」方向のツールとして設計しています。

1. ShowとRSSソースを登録する

LisnifyにログインしたあとShow(番組)を新規作成し、情報ソース画面でPodcast化したいRSSフィードのURLを登録します。例えばZennトレンド(https://zenn.dev/feed)、Qiita人気記事(https://qiita.com/popular-items/feed)、はてなブックマークのテクノロジーカテゴリ(https://b.hatena.ne.jp/hotentry/it.rss)、Google News のキーワードRSS(https://news.google.com/rss/search?q={キーワード}&hl=ja&gl=JP&ceid=JP:ja{キーワード} 部分はURLエンコードして使います)、海外メディアであれば TechCrunch のフィード(https://techcrunch.com/feed/)など、複数のソースを1つのShowに束ねられます。Lisnifyは入力としてRSSフィードのURLを前提にしている(利用規約 第2条・第4条)ので、RSSが提供されていないサイトを扱いたい場合はGoogle Newsのキーワード検索RSSのような迂回手段を経由して、最終的にRSSフィードのURLを渡す形になります。

2. ホストと言語、配信頻度を選ぶ

パーソナリティ設定画面でAIホストの声と言語、話し方を選びます。Lisnifyは多言語に対応しており、英語の記事を日本語ホストで聴く、といった組み合わせもできます。配信頻度は毎日/毎週から選び、配信したい時間帯を指定します。

3. AIによる記事選定と台本生成を待つ

設定した頻度でLisnifyが登録されたRSSフィードから新着記事のリンクを取得し、AIが「今日のエピソードに含める記事」を選び、複数話者の会話台本に整形します。要約・話題のつなぎ・導入・まとめは自動で生成されます。

4. 音声合成とPodcast用RSSの更新

生成された台本がTTSで音声化され、複数話者の会話として1本のMP3にまとまります。同時に、自分専用のPodcast用RSS(<enclosure> 付き)が更新され、新しいエピソードがフィードに追加されます。

5. PodcastアプリでフィードURLを購読する

Lisnifyが発行するプライベートPodcastフィードのURLを、Apple Podcasts、Pocket Casts、Overcastなど「URLで番組を追加」する機能を備えたPodcastアプリに登録します。RSSをPodcast化するパイプラインの出口は最終的にこのフィードURL1本に集約されるので、複数の情報源を束ねた番組であっても、購読側はいつものPodcastアプリで普段聴いている番組と同じ画面で再生できます(Spotifyはユーザーによる任意RSS URLの直接登録に対応していないため、Lisnifyのプライベートフィードは原則として購読できません)。

Lisnifyが発行するフィードURLはUUIDv7ベースの推測されにくい文字列で、Lisnify側からApple PodcastsやSpotify等の公開Podcastディレクトリに番組登録することはしません。一方で、Podcast配信の仕様(iTunes Podcast 名前空間)に従い、フィードのRSS XML内には番組制作者の連絡先としてユーザーのメールアドレスが記載されます利用規約 第11条第6項)。フィードURLを知った第三者はXMLを通じてこのメールアドレスを参照できる前提のため、利用規約上もフィードURLをSNS・公開ページ等の不特定多数アクセス可能な媒体に投稿することは禁止されています(家族・友人など私的な関係にある少数の人への個別共有は許容されています。利用規約 第8条第2項)。設計の考え方は プライベートPodcastフィードという仕組み でより詳しく扱っています。

RSSをPodcast化するのに向いている情報源

何でもPodcast化すればよいわけではありません。聴いて理解しやすい情報源と、そうでないものがあります。

向いている情報源:

  • テキスト中心の記事RSS: 個人ブログ、技術ブログ(Zenn、Qiita、企業テックブログ)、ニュースメディア、ニュースレター。
  • キュレーション系RSS: はてなブックマークのテクノロジーホッテントリ(https://b.hatena.ne.jp/hotentry/it.rss)、Google Newsのキーワード検索フィード(https://news.google.com/rss/search?q={キーワード}&hl=ja&gl=JP&ceid=JP:ja)、Hacker News のトップRSS(https://news.ycombinator.com/rss)。タイトルと概要だけでも価値があり、詳細は原文確認に回す運用と相性がよいです。
  • 海外の英文記事RSS: 全文を読む前に、日本語で要約音声を流して概要を掴むという二段運用に向きます。具体的なやり方は 英語記事を日本語Podcast化する具体的な方法 で別途扱っています。

向きにくい情報源:

  • コードや数式が中心の記事: 音声化すると意味を失いやすいです。「概要だけPodcastで把握 → 元記事をブラウザで開く」という前提なら使えます。
  • 動画やインタラクティブな要素が主役のページ: 図表のキャプチャ・スクリーンショット説明・グラフ読み解きは音声では伝わりません。
  • ログインが必要な非公開ページ: 通常、RSS化やPodcast化の対象には含めません(コンプライアンス上もリスクがあります)。

注意点: 著作権、要約、公開範囲

RSSを取得して音声化する行為には、いくつかの法務的・倫理的な注意点があります。

1. RSSが許可している範囲を超えない

RSSは公開されているからといって、何にでも使ってよいわけではありません。サイトの利用規約や robots.txt で機械的アクセスの方針が定められている場合があります。商用配信の場で他社記事を読み上げて再配信する用途は、引用の範囲を超える可能性があります。

2. 全文読み上げではなく「要約」を基本にする

全文をそのまま音声化して公開すると、複製権・公衆送信権の観点で問題になりえます。AI Podcast生成ツールの多くが「要約 + 出典リンク」という形を採るのは、この観点と「聴きやすさ」の両方の理由があります。Lisnifyも要約とリンクの併用を基本にしています。

3. 公開範囲を明確にする

自分一人だけが聴く非公開フィードか、家族・チーム内だけで共有する限定フィードか、不特定多数に配信する公開Podcastかで、求められる権利処理のレベルが変わります。Lisnifyのフィードは既定で「自分専用の非公開フィード」なので、公開Podcastとしての配信を前提にしていません。

4. 正確性が重要な領域は原文確認を前提にする

法務、医療、金融、契約条件、ベンチマーク数値など、正確性が業務上重要な内容は、要約音声だけで判断しないでください。Podcast化は「読むべき記事を選別する一次フィルタ」と捉えるのが安全です。

よくある質問

RSSがないサイトもPodcast化できますか?

Lisnifyの仕様として、入力はRSSフィードのURLを前提にしています(利用規約 第2条・第4条)。元サイトがRSSを提供していない場合、Lisnifyに直接Webページをスクレイピングさせる使い方はできません。代替として、Google Newsのキーワード検索RSS(https://news.google.com/rss/search?q={キーワード}&hl=ja&gl=JP&ceid=JP:ja)でサイト名や著者名を指定して新着を含むRSSを生成する、サードパーティのRSS生成サービスを介して対象サイトのフィードを作る、といった迂回策で「最終的にRSSフィードのURLとして渡す」運用が現実的です。ログイン必須のページは対象外になります。

Apple PodcastsやSpotifyで聴けますか?

プライベートPodcastフィードのURLを「URLで番組を追加」する手順に対応しているPodcastアプリであれば、基本的に聴けます。Apple Podcasts、Pocket Casts、Overcastなどはこの形式に対応しています。一方Spotifyはディレクトリ型のホスティング/配信プラットフォームとしての性格が強く、ユーザーが任意のRSS URLをアプリに直接登録して購読する用途には対応していません(Spotifyで聴くにはディレクトリ登録=一般公開が前提となり、Lisnifyのプライベートフィードはこの運用を想定していません)。Spotifyを普段使っている方は、Apple PodcastsやPocket Castsなど別アプリでの購読を併用してください。

元記事を読まなくても大丈夫ですか?

概要把握には向きますが、コード、図表、ベンチマーク数値、法務・医療・金融の判断材料については原文確認を推奨します。Podcast化は「すべてを精読する代わりに、何を精読すべきかを耳で選別する」運用に向いています。

自分以外の人にも同じフィードを聴かせられますか?

Lisnifyの利用規約では、フィードURLをSNS・ウェブサイト・掲示板など不特定多数がアクセスし得る媒体に投稿・公開する行為は禁止されています(第8条第2項)。一方、家族・友人など、ユーザーと私的な関係にある少数の人への個別共有は規約上許容されています。Lisnifyは個人による非営利利用に限定(第3条)されているため、業務上のチーム配信用途には設計されていない点も合わせて確認してください。なお、フィードのRSS XMLにはユーザーのメールアドレスが記載されるため、共有先がそれを参照し得ることを前提に、相手は信頼できる範囲に絞ってください。

既存のRSSリーダーとは併用できますか?

併用できます。「気になる候補を見つけるのはRSSリーダー」「移動中にざっくり把握するのはPodcast」「精読はブラウザ」という三段運用は、すでに多くのユーザーが取っているスタイルです。Podcast化はRSSリーダーを置き換えるものではなく、消費フォーマットを増やす位置づけと考えるのがちょうどよいです。

自分でTTSとRSS配信を実装するのと比べて何が違いますか?

技術的には自前実装も可能です。実際にエンジニア個人が作っている事例(zenncast など)もあり、自由度は高くなります。一方で、RSS取得、記事クレンジング、要約プロンプト、複数話者TTS、音声ミックス、Podcast用RSS配信、Podcastアプリ互換性のテスト、ホスティングコスト、これらを継続的に運用する負担はそれなりに大きいです。AI Podcast生成ツールは、ここを「設定だけで動く形」にまとめたサービスとして位置づけられます。

まとめ

RSSをPodcast化するとは、テキストとして配信されている記事フィードを、Podcastアプリで聴ける音声フィードに変換することを指します。手動TTS、自前実装、AI Podcast生成ツールという3つの方法があり、継続性とメンテナンス負荷を考えると、毎日の情報収集を音声に変えたい用途では3番目が現実的な選択になりやすいです。

Lisnifyは、RSSフィードを入力に、自分専用の非公開Podcastフィードを継続的に届ける方向のツールとして設計しています。「読む山が積み上がる」という状態から、「移動中に今日のエピソードを聴く」という状態に切り替えたい場合に試してもらえると噛み合いやすいです。一方で、公開Podcast番組として配信したい用途や、特定資料を深く理解したい用途では、castmakeやNotebookLMといった別の選択肢の方が適していることも多いです。それぞれの使い分けは、関連記事を順に読むことで整理しやすくなるはずです。

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