RSSをPodcast化する方法。記事やニュースを「読む」から「聴く」に変える

公開日: 2026-05-05 著者: TOKOI, Mikito / Founder of Lisnify カテゴリ: チュートリアル 約 14 分

結論

RSSはもともと「読むためのフォーマット」として広まりましたが、AIの要約と音声合成を組み合わせれば、Podcastの形で「聴く情報源」に変えられます。やり方は大きく3つです。TTSに記事を貼り付けて自分で音声化する要約から配信までのパイプラインを自前で組むAI Podcast生成ツールを使う

毎日の通勤や家事の時間を情報収集に充てたい、でも記事を全部読み切る時間はない——そういう人には、3つ目の「自分専用のPodcastフィードを継続的に届ける仕組み」が一番続きやすい選択肢です。

以下では、RSSをPodcast化するという発想の整理から、3つの方法の比較、Lisnifyでの具体的な手順、向く情報源と向かない情報源、著作権や公開範囲の注意点まで順に扱います。

RSSをPodcast化するとは

「RSSをPodcast化する」とは、RSSフィードに流れてくる記事を、テキストで読むのではなくPodcastアプリで聴ける音声フィードに変換することです。

RSSとPodcastは技術的に近い親戚です。Podcastの配信フォーマット自体が RSS 2.0 を拡張したもので(<enclosure> タグでメディアファイルを参照します)、Podcastアプリは内部的にRSSを購読しています。「テキストの記事RSS」を「音声入りのPodcast用RSS」に作り替えられれば、Apple PodcastsPocket CastsOvercast などの普段使っているPodcastアプリでそのまま聴けます。Spotify はRSSを取り込んで配信する仕組みですが、ユーザーが任意のRSS URLをアプリに直接登録する使い方は想定されていません。

変換の中身は次の3ステップです。

  1. RSSから記事本文を取得する
  2. 記事本文を音声化する(要約を挟むことが多い)
  3. 音声ファイルを <enclosure> で参照するPodcast用RSSとして配信する

このステップを誰が担当するか、要約を入れるか、複数記事をどう束ねるか、誰が聴けるフィードにするか——ここの設計次第で方法が分かれます。

RSSリーダーではなくPodcastで聴くメリット

RSSリーダーはすでに広く使われています。それでもあえてPodcast形式に変換するのは、用途がはっきり違うからです。

  • 画面を見なくていい: 通勤、運転、家事、散歩、運動。目と手がふさがっている時間を情報収集に回せます。RSSリーダーは画面を見続ける前提のツールで、Podcastは「ながら聞き」が前提のフォーマットです。
  • 再生・倍速・スキップが標準装備: Podcastアプリにはチャプタースキップ、倍速再生、スリープタイマー、ダウンロードといった「聴く」ためのUIが揃っています。RSSリーダーで音声を扱おうとするとアドオンの域を出ません。
  • 「読む山」が「聴く番組」になる: RSSリーダーは未読が積み上がるほど心理的プレッシャーになります。Podcastなら「今日のエピソード」「今週のエピソード」という単位で区切られるので、消化のリズムを作りやすいです。
  • 複数の情報源を1本に束ねられる: 要約を挟む方式なら、ZennQiitaはてなブックマーク、海外メディアを1エピソードに混ぜられます。RSSリーダーでフィードを一元化するのと近い発想ですが、出力が音声なので「全部に目を通さなければ」という負担感が下がります。

一方で、コードの細部、図表、ベンチマーク数値、UIスクリーンショットを正確に追いたい場面では、Podcast化は一次フィルタの位置づけにしかなりません。詳細は元記事を開いて確認する、という割り切りが前提になります。

RSSをPodcast化する主な方法

選択肢は大きく3つで、コスト・自由度・メンテナンス負荷・要約品質のバランスがそれぞれ違います。

1. 手動で記事を音声化する

RSSから記事本文をコピーしてTTS(Text-to-Speech)サービスに貼り付け、出力されたMP3を自分のクラウドストレージに置き、<enclosure> 付きのRSSを自前で書いてPodcastアプリに登録する、という流れを毎回繰り返します。

  • 向くケース: ごく少数の記事だけを音声で聴ければよい、TTSの声質や読み上げ方を1記事ずつ細かく調整したい。
  • 向かないケース: 毎日複数記事を継続的に聴きたい、要約してから聴きたい。手間が大きすぎて続きません。

音読さんCoeFontElevenLabs などTTSサービスの選択肢自体は豊富です。ただし、RSS取得・記事クレンジング・要約・音声合成・RSS配信を毎日人力で回すのは、よほどの趣味でない限り続きません。

2. TTSツールを使う

保存した記事をその場でTTS再生してくれるツールを使う手もあります。Feedly のテキスト読み上げ機能、Instapaper Premium の Text-to-Speech、Voice Dream Reader、Appleの「コンテンツを読み上げる」機能、ElevenReader などが該当します(長らく定番だったMozillaの Pocket2025年7月にサービスを終了しました)。後継候補としてはブックマーク管理型の Raindrop.io もよく名前が挙がりますが、Raindrop.io 単体に記事読み上げ機能はありません。

  • 強み: 既存のRSSリーダーやReadLater系サービスとの組み合わせやすさ、導入のハードルの低さ。記事をそのまま全文読み上げてくれます。
  • 限界: 多くは「記事ビューアの中で再生」する形式で、Podcastアプリに番組として購読する形にはならない場合が多いです。要約なしの全文読み上げなので再生時間も長くなりがち。複数記事を1本のエピソードに束ねたり、AIホスト同士の会話形式にしたりといった編集も基本的にできません。

「特定の記事だけ耳で読みたい」用途には十分です。「毎朝決まった時間に、自分の興味に絞った10〜20分のニュース番組として届いてほしい」というニーズには、次のAI Podcast生成ツールのほうが噛み合います。

3. AI Podcast生成ツールを使う

RSSフィードを入力として、AIが要約・スクリプト化し、複数話者の音声まで自動生成してPodcastフィードとして配信してくれるツールが、ここ数年で増えてきました。Lisnifyもこのカテゴリです。

代表的な選択肢は方向性で3つに分けられます(2026-05-05時点で各社公式ページを確認)。

  • 公開Podcast番組の制作寄り: castmakeJellypod。メディアやブログのコンテンツをAIラジオとして配信する用途で使われています。
  • 資料理解寄り: Google NotebookLM のAudio Overview。アップロードした資料を2人のホストが議論する形式で要約してくれます。定期配信を主目的にした機能ではありません。
  • 自分専用フィード寄り: Lisnify、Airout AIMultiMind。RSSフィードを入力に、自分だけが聴くPodcastフィードを継続的に届ける方向のサービス。

得意分野が違うので、「どれが一番優れているか」より「自分の用途はどれに近いか」で選ぶほうが噛み合います。

LisnifyでRSSをPodcast化する流れ

ここからはLisnifyを使った場合の具体的な手順です。Lisnifyは「自分専用の非公開Podcastフィードに、RSSのAI要約音声を継続的に届ける」方向のツールとして設計しています。

1. ShowとRSSソースを登録する

LisnifyにログインしてShow(番組)を新規作成し、情報ソース画面でPodcast化したいRSSフィードのURLを登録します。Zennトレンド(https://zenn.dev/feed)、Qiita人気記事(https://qiita.com/popular-items/feed)、はてなブックマークのテクノロジーカテゴリ(https://b.hatena.ne.jp/hotentry/it.rss)、Google News のキーワードRSS(https://news.google.com/rss/search?q={キーワード}&hl=ja&gl=JP&ceid=JP:ja{キーワード} 部分はURLエンコードします)、海外メディアなら TechCrunch のフィード(https://techcrunch.com/feed/)といった具合に、複数のソースを1つのShowに束ねられます。Lisnifyは入力にRSSフィードのURLを前提にしているため(利用規約 第2条・第4条)、RSSが提供されていないサイトを扱いたい場合はGoogle Newsのキーワード検索RSSなど迂回ルートを経由して、最終的にRSSのURLとして渡します。

2. ホストと言語、配信頻度を選ぶ

パーソナリティ設定画面でAIホストの声と言語、話し方を指定します。Lisnifyは多言語対応で、英語の記事を日本語ホストで聴くといった組み合わせも可能です。配信頻度は毎日/毎週から選び、配信したい時間帯を指定します。

3. AIによる記事選定と台本生成を待つ

設定した頻度でLisnifyが登録RSSから新着記事のリンクを取得し、AIが「今日のエピソードに含める記事」を選んで複数話者の会話台本に整形します。要約・話題のつなぎ・導入・まとめはすべて自動です。

4. 音声合成とPodcast用RSSの更新

台本はTTSで音声化され、複数話者の会話として1本のMP3にまとまります。同時に、自分専用のPodcast用RSS(<enclosure> 付き)に新しいエピソードが追加されます。

5. PodcastアプリでフィードURLを購読する

Lisnifyが発行するプライベートPodcastフィードのURLを、Apple Podcasts、Pocket Casts、Overcastなど「URLで番組を追加」できるPodcastアプリに登録します。パイプラインの出口はこのフィードURL1本に集約されるので、複数の情報源を束ねた番組でも、購読側は普段聴いている番組と同じ画面で再生できます(Spotifyはユーザーによる任意RSS URLの直接登録に対応していないため、Lisnifyのプライベートフィードは購読できません)。

Lisnifyが発行するフィードURLはUUIDv7ベースの推測されにくい文字列で、Lisnify側からApple PodcastsやSpotify等の公開Podcastディレクトリに番組登録することはしません。ただし、Podcast配信の仕様(iTunes Podcast 名前空間)に従い、フィードのRSS XML内には番組制作者の連絡先としてユーザーのメールアドレスが記載されます利用規約 第11条第6項)。フィードURLを知った第三者はXMLを通じてこのメールアドレスを参照できる前提なので、利用規約上もフィードURLをSNS・公開ページ等の不特定多数アクセス可能な媒体に投稿することは禁止されています(家族・友人など私的な関係にある少数の人への個別共有は許容。利用規約 第8条第2項)。設計の考え方は プライベートPodcastフィードという仕組み で詳しく扱っています。

RSSをPodcast化するのに向いている情報源

何でもPodcast化すればよいわけではなく、聴いて理解しやすいタイプとそうでないタイプがあります。

向いている情報源:

  • テキスト中心の記事RSS: 個人ブログ、技術ブログ(Zenn、Qiita、企業テックブログ)、ニュースメディア、ニュースレター。
  • キュレーション系RSS: はてなブックマークのテクノロジーホッテントリ(https://b.hatena.ne.jp/hotentry/it.rss)、Google Newsのキーワード検索フィード(https://news.google.com/rss/search?q={キーワード}&hl=ja&gl=JP&ceid=JP:ja)、Hacker News のトップRSS(https://news.ycombinator.com/rss)。タイトルと概要だけでも価値があり、詳細は原文確認に回す運用と噛み合います。
  • 海外の英文記事RSS: 全文を読む前に日本語の要約音声で概要を掴む、という二段運用に使えます。具体的なやり方は 英語記事を日本語Podcast化する具体的な方法 で別途扱っています。

向きにくい情報源:

  • コードや数式が中心の記事: 音声化すると意味を失います。「概要だけPodcastで把握 → 元記事をブラウザで開く」前提なら使えます。
  • 動画やインタラクティブな要素が主役のページ: 図表キャプチャ、スクリーンショット説明、グラフ読み解きは音声では伝わりません。
  • ログインが必要な非公開ページ: RSS化・Podcast化の対象には基本的に含めません(コンプライアンス上もリスクがあります)。

注意点: 著作権、要約、公開範囲

RSSを取得して音声化する行為には、いくつか法務・倫理面で気をつけるべき点があります。

1. RSSが許可している範囲を超えない

RSSが公開されているからといって、何にでも使ってよいわけではありません。サイトの利用規約や robots.txt で機械的アクセスの方針が定められている場合があります。商用配信の場で他社記事を読み上げて再配信する用途は、引用の範囲を超える可能性があります。

2. 全文読み上げではなく「要約」を基本にする

全文をそのまま音声化して公開すると、複製権・公衆送信権の観点で問題になりえます。AI Podcast生成ツールの多くが「要約+出典リンク」の形を採るのは、この権利面の事情と「聴きやすさ」の両方の理由からです。Lisnifyも要約とリンクの併用を基本にしています。

3. 公開範囲を明確にする

自分一人だけが聴く非公開フィードか、家族・チーム内だけで共有する限定フィードか、不特定多数に配信する公開Podcastか。どれを選ぶかで、求められる権利処理のレベルが変わります。Lisnifyのフィードは既定で「自分専用の非公開フィード」で、公開Podcastとしての配信を前提にしていません。

4. 正確性が重要な領域は原文確認を前提にする

法務、医療、金融、契約条件、ベンチマーク数値など、業務上の判断材料になる内容は、要約音声だけで判断しないでください。Podcast化は「読むべき記事を選別する一次フィルタ」として使うのが安全です。

よくある質問

RSSがないサイトもPodcast化できますか?

Lisnifyの入力はRSSフィードのURLが前提です(利用規約 第2条・第4条)。元サイトがRSSを出していない場合、LisnifyにWebページを直接スクレイピングさせる使い方はできません。現実的な迂回策は、Google Newsのキーワード検索RSS(https://news.google.com/rss/search?q={キーワード}&hl=ja&gl=JP&ceid=JP:ja)でサイト名や著者名を指定して新着を含むRSSを生成する、サードパーティのRSS生成サービスで対象サイトのフィードを作る、といった形で「最終的にRSSのURLとして渡す」運用です。ログイン必須のページは対象外です。

Apple PodcastsやSpotifyで聴けますか?

プライベートPodcastフィードのURLを「URLで番組を追加」する手順を備えたPodcastアプリなら聴けます。Apple Podcasts、Pocket Casts、Overcastはこの形式に対応しています。Spotifyはディレクトリ型のホスティング/配信プラットフォームの性格が強く、ユーザーが任意のRSS URLをアプリに直接登録して購読する使い方には対応していません(Spotifyで聴くにはディレクトリ登録=一般公開が前提で、Lisnifyのプライベートフィードはこの運用を想定していません)。Spotifyを普段使っている場合は、Apple PodcastsやPocket Castsなど別アプリの併用をお勧めします。

元記事を読まなくても大丈夫ですか?

概要把握には向きますが、コード、図表、ベンチマーク数値、法務・医療・金融の判断材料は原文確認を推奨します。Podcast化は「すべてを精読する代わりに、何を精読すべきかを耳で選別する」運用に向いています。

自分以外の人にも同じフィードを聴かせられますか?

Lisnifyの利用規約では、フィードURLをSNS・ウェブサイト・掲示板など不特定多数がアクセスし得る媒体に投稿・公開する行為は禁止されています(第8条第2項)。家族・友人など、ユーザーと私的な関係にある少数の人への個別共有は規約上許容されています。Lisnifyは個人による非営利利用に限定(第3条)されているため、業務上のチーム配信用途は想定していません。なお、フィードのRSS XMLにはユーザーのメールアドレスが記載されるため、共有先がそれを参照し得る前提で、相手は信頼できる範囲に絞ってください。

既存のRSSリーダーとは併用できますか?

併用できます。「気になる候補を見つけるのはRSSリーダー」「移動中にざっくり把握するのはPodcast」「精読はブラウザ」という三段運用は、すでに多くのユーザーが取っているスタイルです。Podcast化はRSSリーダーの代わりというより、消費フォーマットを1つ増やす位置づけで使うのがちょうどよいです。

自分でTTSとRSS配信を実装するのと比べて何が違いますか?

技術的には自前実装も可能で、自由度は高くなります。実際にエンジニア個人が作っている例(zenncast など)もあります。ただし、RSS取得、記事クレンジング、要約プロンプト、複数話者TTS、音声ミックス、Podcast用RSS配信、Podcastアプリ互換性のテスト、ホスティングコスト——これらを継続的に運用する負担は決して軽くありません。AI Podcast生成ツールは、この一連を「設定だけで動く形」にまとめたサービスです。

まとめ

RSSをPodcast化するとは、テキストとして配信されている記事フィードを、Podcastアプリで聴ける音声フィードに変換することです。手動TTS、自前実装、AI Podcast生成ツールという3つの方法があり、継続性とメンテナンス負荷を考えると、毎日の情報収集を音声に切り替えたい用途では3番目が現実的に続きやすい選択肢です。

Lisnifyは、RSSを入力に自分専用の非公開Podcastフィードを継続的に届ける方向で設計しています。「読む山が積み上がる」状態から「移動中に今日のエピソードを聴く」状態に切り替えたい場合に噛み合います。公開Podcast番組として配信したい用途や、特定資料を深く理解したい用途には、castmakeやNotebookLMのほうが適しています。使い分けの詳細は、関連記事を順に追うと整理しやすくなります。

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