ZennのトレンドをPodcastで聴く方法。zenncastを毎朝聴いている人が次に欲しくなるカスタマイズ
結論
Zenn の記事を耳で聴く方法は、大きく汎用フィード型と自分専用フィード型の2つに分かれます。
汎用フィード型の代表は個人開発のzenncast で、Zennのトレンドを毎日まとめた1本のPodcast番組として配信されています。Apple Podcasts のテクノロジー部門で上位の実績があり、「Zennを耳で聴く」文化を作った先行サービスとして広く購読されています。多くの人にとっては、これだけで十分機能します。
一方で、zenncastを毎朝聴いているうちに「自分の興味タグだけに絞りたい」「Qiita や はてなブックマーク の記事も混ぜて1本にしたい」「もう少し短く、別の声で聴きたい」といったカスタマイズ需要が出てくるケースがあります。この二次需要に応えるのが自分専用フィード型のアプローチで、Lisnifyのようなツールが向きます。
両者は競合ではなく、汎用ニュース番組と自分専用フィードという別カテゴリとして併存します。この記事では、それぞれの守備範囲と、自分専用ZennPodcastを作るときの具体的な手順、向く場面・向かない場面を整理します。
Zennを耳で聴く2つのアプローチ:汎用フィードと自分専用フィード
「Zennを音声で聴く」というニーズは、いくつかの違うパターンに分解できます。大きく整理すると次の2軸になります。
- 汎用フィード: Zenn全体のトレンドを、不特定多数向けに1本の番組としてまとめたもの。誰が聴いても同じ内容。番組としての完成度を高めやすく、購読も簡単
- 自分専用フィード: 自分の興味タグや、Zenn以外のソースまで含めた、個人ごとに違う内容のフィード。Podcastアプリには番組として登録しますが、聴いているのは実質的に自分一人
汎用フィードは「みんなが押さえているトレンドを外さない」用途に向きます。エンジニア界隈の話題はSNSやチャットでも流れてくるので、汎用Podcastで毎朝拾っておけば、雑談や1on1で話題を共有しやすくなります。
自分専用フィードは「自分の業務・興味に直結するものだけを耳で追う」用途に向きます。フロントエンドだけ、機械学習だけ、Rustだけといった粒度の偏りを許容できるので、汎用フィードでは薄まってしまう情報を密度高く拾えます。
両方を購読しても矛盾しません。「広く浅くはzenncast、狭く深くは自分専用フィード」という二段構えが現実的です。
汎用フィードの代表例(zenncast)の良さと限界
zenncastは、ZennのトレンドをAIが要約し、毎日のPodcast番組として配信している個人開発サービスで、Apple Podcastsのテクノロジー部門ランキングで上位の実績を持ちます。Zennを耳で聴く需要が確かに存在することを、最初に証明したサービスといえます。
汎用フィードとしての強みは次のあたりにあります。
- 購読ハードルが極めて低い: Podcastアプリで番組名を検索するだけで聴き始められます。RSSを意識する必要も、設定画面を触る必要もありません
- トレンドを外さない: Zenn全体の人気記事を扱うので、業界で話題になっている記事を取りこぼしにくい構造です
- 編集の安定感: 個人開発のサービスとはいえ、毎日同じ尺・同じトーンで届くので「番組」として聴けます
一方で、汎用フィードという性質上、次のような限界もあります。これはzenncastの欠点というより、汎用フィード型が構造的に持つ性質です。
- トレンド以外は拾いにくい: ホットでないが自分の業務には直結する記事、特定タグでだけ盛り上がっている記事は、トレンドの陰に隠れがちです
- 複数媒体の混在は前提にしていない: zenncastはZennを対象にした番組なので、Qiitaやはてブ、海外メディアと混ぜた1本にしたいという需要は範囲外になります
- 再生時間や声、話し方は固定: 番組としての一貫性のために、尺やトーンは番組側で決まります。「もっと短くしたい」「別の声で聴きたい」という要求は番組の編集方針と相反します
これらは「汎用フィードは十分機能している。けれど、自分はもう一歩踏み込んだフィードが欲しい」と感じ始めた人にとっての観点であって、汎用フィードを否定するものではありません。むしろ、zenncastを毎朝聴くうちに「もう一段カスタマイズした自分専用版が欲しくなる」という流れこそが、Zennを耳で聴く文化が育ってきた証拠といえます。
「自分専用フィード」が必要になる場面
汎用フィードに加えて自分専用フィードが欲しくなるのは、おおむね次の3パターンに集約されます。
興味タグが偏っている/トレンド以外も追いたい
たとえば、業務がフロントエンド中心で、Reactの細かい話やCSSのレイアウトテクニックを毎日拾いたい場合、汎用トレンドにはAIや基盤系・キャリア論の記事が多く混ざります。逆に、機械学習や数値計算しか追いたくない場合も、汎用トレンドにはWeb系の話題が多めに入ります。
「業界全体のトレンドより、自分の専門タグだけを濃くしてほしい」というニーズは、汎用フィードには本質的に応えにくいものです。Zennのタグ別RSS(テンプレート: https://zenn.dev/topics/{tag}/feed)を直接ソースにできれば、興味タグだけに絞ったフィードが作れます。たとえばTypeScriptなら https://zenn.dev/topics/typescript/feed、Pythonなら https://zenn.dev/topics/python/feed、LLM/大規模言語モデルなら https://zenn.dev/topics/llm/feed のように、{tag}部分を具体的なタグ名に置き換えるだけで使えます。
Zenn以外(Qiita、はてブ、海外記事)と混ぜたい
実務でZennだけを情報源にしている人は少ないはずです。Qiitaのタグ別RSS、はてなブックマークのカテゴリRSS、企業テックブログ、海外メディアのRSSなどを並行して追っているのが普通です。
これらを別々のPodcast番組として5本も6本も購読すると、結局どれを再生するか迷ってしまいます。「Zenn+Qiita+はてブ(テクノロジー)+お気に入り企業ブログ+Hacker News」を1本のフィードに束ねることができれば、毎朝1本だけ再生すれば済みます。
再生時間・声質・話し方を変えたい
通勤時間が15分の人と、片道1時間の人では、ちょうどよい再生時間が違います。家事中に聴く人と、運転中に聴く人では、聴きやすい話し方の速度や声のトーンも違います。
汎用フィードはあくまで番組としての一貫性を優先するので、ここをユーザー側で調整するのは難しいところです。自分専用フィードであれば、再生時間の目安、ホストの声、話し方(解説調か対話調か)を自分の生活リズムに合わせて選べます。
自分専用ZennPodcastの作り方(Lisnifyを使う場合)
ここからは、Lisnifyを使って「自分専用のZennPodcast」を組み立てる場合の手順を、HowTo形式で示します。Lisnifyは、RSSフィードを入力に、自分専用のPodcastフィードを継続的に届けるツールとして設計しています。
Show(番組)を作成する
Lisnifyにログインしたら、まずShowを1つ新規作成します。Showは「自分の番組」の単位で、1つのShowが1つのPodcastフィードURLを持ちます。「朝の技術キャッチアップ」「フロントエンド専用」のように、聴くシーンに合わせて名前を付けると後で見分けやすくなります。
ZennのRSSをソースに登録する
ZennにはトレンドRSSとタグ別RSSが用意されています。情報ソース画面で、目的に合わせてRSSのURLを追加します。トレンド全体なら https://zenn.dev/feed(フィードのタイトルは「Zennのトレンド」)、特定タグだけなら https://zenn.dev/topics/{tag}/feed のテンプレートを使い、{tag}を具体的なタグ名に置き換えます(例: https://zenn.dev/topics/typescript/feed、https://zenn.dev/topics/python/feed、https://zenn.dev/topics/llm/feed)。RSSのURL仕様は変わることがあるので、登録前にZenn側のヘルプで最新のURL形式を確認しておくと安全です。
他の媒体のRSSを混ぜる(任意)
Zennだけにこだわらないなら、QiitaのタグRSS、はてなブックマークのカテゴリRSS、企業の技術ブログRSS、Google News のキーワードRSS、Hacker NewsのトップRSSなどを同じShowに追加します。代表的なソースとRSS URLは次のとおりです(左列で目的を選び、必要なURLだけ右列を確認する想定の表です)。
| ソース | RSS URL |
|---|---|
| Qiita 人気記事 | https://qiita.com/popular-items/feed |
| Qiita タグ別 | https://qiita.com/tags/{tag}/feed({tag} をタグ名に置換。例: python、typescript) |
| はてなブックマーク テクノロジー | https://b.hatena.ne.jp/hotentry/it.rss |
| Hacker News Top | https://news.ycombinator.com/rss |
| Google News テクノロジー(日本) | https://news.google.com/rss/headlines/section/topic/TECHNOLOGY?hl=ja&gl=JP&ceid=JP:ja |
| Google News キーワード検索 | https://news.google.com/rss/search?q={キーワード}&hl=ja&gl=JP&ceid=JP:ja(q= の値はURLエンコード必須。例: 「生成AI」→ q=%E7%94%9F%E6%88%90AI) |
Lisnifyは複数ソースを1本のエピソードに束ねる前提で動くので、ソースを増やすほど「自分専用感」は強くなります。
ホスト・言語・配信頻度を選ぶ
パーソナリティ設定画面で、ホストの声・言語・話し方を選びます。日本語ホストでZenn記事を要約する構成が定番ですが、英語記事を混ぜている場合でも日本語要約として聴けます。配信は毎日/毎週から選び、聴きたい時間帯(朝の通勤前など)を指定します。スケジュールの時刻はUTCが既定なので、日本時間で指定したい場合はタイムゾーンを Asia/Tokyo に切り替えてから時刻を入力します。
生成されたフィードURLをPodcastアプリに登録する
設定が終わると、Lisnifyが発行するプライベートPodcastフィードのURLが手に入ります。Apple Podcasts、Pocket Casts、Overcast など「URLで番組を追加」する機能を備えたPodcastアプリで登録すれば、汎用Podcastと同じUIで自分専用ZennPodcastを再生できます(Spotify はユーザーによる任意RSS URLの直接登録に対応していないため、Lisnifyのプライベートフィードは原則として購読できません)。Zenn由来の記事はコード片や図表への言及が多いため、エピソードのShownotesから元記事へ飛びやすい運用にしておくと、聴いた直後の精読につながりやすくなります。
1〜2週間で構成を見直す
最初の構成で完成と思わないほうが安全です。聴きながら「このタグは情報量が薄かった」「Qiitaを混ぜたら濃すぎた」「Show系の短文記事は要約だけでよい」など、Zennならではの気づきが必ず出てきます。1〜2週間運用したら情報ソースとパーソナリティ設定を見直し、自分の業務リズムに合うところまで詰めるのが、自分専用フィードの肝になります。
RSSをPodcastに変換する仕組みそのものをもう少し深く知りたい場合は、RSSをPodcast化する具体的な手順で全体像を扱っています。
zenncastとLisnifyの使い分け
両者を競合として比較するより、どちらを「何用に」使うかで切り分けるほうが現実的です。
| 観点 | zenncast | 自分専用フィード(Lisnifyなど) |
|---|---|---|
| 主な用途 | Zennの汎用トレンドを毎朝聴く | 自分の興味・複数媒体に合わせたフィードを毎朝聴く |
| 対象ソース | Zenn中心 | Zenn+他媒体(Qiita、はてブ、海外RSS等)を任意に混合 |
| 番組としての完成度 | 高い(番組として配信) | フィード単位で自分専用に最適化 |
| 購読のハードル | 低い(Podcastアプリで検索) | 中(RSS追加・ホスト選択などの初期設定) |
| カスタマイズ余地 | 番組の方針に従う | タグ・媒体・尺・声を自分で組み替えられる |
| 公開範囲 | 公開Podcast | 自分専用の非公開フィード |
「両方を購読する」運用も無理がありません。zenncastを汎用トレンド番組として聴いて雑談ネタを拾い、自分専用フィードを業務直結の濃い情報源として聴く、といった二段構えで使い分けるのが、Zennを耳で活用する自然な発展形になりやすい運用です。
※本表は2026-05-05時点で各サービスの公式ページを参照して作成しました。詳細仕様や提供範囲は変わる可能性があるため、登録前に最新の公式情報を確認してください。
注意点:コード、図表、ベンチマークは音声だけでは補えない
Zennの記事は、コードスニペット、設定ファイル、図、ベンチマーク数値が情報の中心になっていることも多くあります。これらは音声化すると価値が大きく落ちる、というのは前提として押さえておきたい点です。
Podcast化したZennフィードは、あくまで「何を後で精読すべきかを耳で選別する一次フィルタ」として捉えるのが安全です。流し聴きしている中で「この記事は深く読みたい」と思った瞬間に、エピソードのShownotesや出典リンクから元記事に飛んで精読する、という二段運用を前提に組むと無理がありません。
逆に、設計判断の背景、技術選定の議論、キャリア論、ポストモーテムのような「文章として読ませる」記事は、音声と相性がよいといえます。Zennは技術解説とエッセイ・体験談が混在するメディアなので、自分専用フィードのソースに加える記事を選ぶ時点で、音声向きかどうかを少し意識すると、聴いていて満足度が高くなります。
よくある質問
zenncastを聴いていれば十分ではありませんか
多くの人にとっては十分です。zenncastはZennの汎用トレンドを安定して届けてくれる優れた個人開発サービスで、Apple Podcastsテクノロジー部門で上位の実績もあります。「自分の興味タグだけに絞りたい」「Zenn以外の媒体も混ぜたい」「再生時間や声を変えたい」といったカスタマイズ需要が出てきた段階で、自分専用フィード(Lisnifyなど)を追加するのが自然な流れです。
zenncastとの併用はできますか
できます。zenncastを汎用トレンド把握用に、Lisnifyの自分専用フィードを業務直結の情報源として使い分ける運用が想定されます。Podcastアプリ側で2つの番組を購読する形になるので、技術的にも運用上も衝突しません。
Zennの特定タグだけを集めたフィードは作れますか
ZennのタグRSS(テンプレート: https://zenn.dev/topics/{tag}/feed、例: https://zenn.dev/topics/typescript/feed)が公開されている場合は、それをLisnifyの情報ソースに登録することで、特定タグだけのフィードを組めます。RSSのURL仕様はZenn側の変更で変わる可能性があるため、登録前に最新の仕様を確認してください。
ZennとQiita、はてなブックマークを混ぜて1本のフィードにできますか
Lisnifyは複数ソースを1つのShowにまとめて、1本のエピソードに束ねる前提で設計されています。ZennのRSS、QiitaのタグRSS、はてなブックマークのカテゴリRSSをそれぞれ情報ソースに追加すれば、まとめてAIが要約・編集した1本のPodcastとして配信されます。
社内向けRSSや、認証が必要なフィードは扱えますか
公開されているRSSが基本対象です。認証が必要な社内RSSや、ログインが前提のフィードは、現時点では一般的なサポート範囲外と考えてください。社内コンテンツを音声化したい場合は、まず該当コンテンツの公開範囲・権利処理・運用責任者を整理してから個別に検討するのが安全です。
既存のRSSリーダーやzenncastを置き換える必要はありますか
ありません。RSSリーダーは「読むかどうか判断するために流し見する」用途、zenncastは「業界トレンドを汎用番組として聴く」用途、Lisnifyの自分専用フィードは「自分の興味・業務に直結する情報を毎朝1本で聴く」用途、と役割が違います。すべて併用しているユーザーが多い領域です。
まとめ
Zenn記事を耳で聴くニーズは、汎用フィード(zenncast)が支えてきた一次需要と、自分専用フィードに応える二次需要に分かれます。両者は競合ではなく、それぞれ別カテゴリのサービスとして併存する関係にあります。
毎朝のZennトレンドを「番組として聴く」だけで満足していれば、zenncastを購読するのがいちばんシンプルな選択です。一方で、特定タグだけを濃くしたい、QiitaやはてブやHacker Newsを混ぜて1本にしたい、再生時間や声を生活リズムに合わせたいといった要求が出てきたタイミングが、自分専用フィード(Lisnifyなど)を追加で試す自然な機会になります。汎用と自分専用の二段構えで、Zennを耳で活用する余地はもう一段広がります。
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